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薬食同源 提供:岡 希太郎

第9話 春の七草

 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

 「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ すずなすずしろ はるのななくさ」

 七草粥で有名な春の七草とは、なぜ7つなのでしょうか?語呂がよいからかも知れませんが、ここでは薬学的に考えてみましょう。

 野菜と言えば栄養価(カロリー)は低いのですが、ビタミンとミネラルが豊富です。ビタミンとミネラルは必須栄養素なので、食べないと不足しますし、不足すると病気になってしまいます。

 ビタミンとミネラルにはそれぞれほぼ20種類ずつがあって、合わせれば40にもなるのです。栄養素ごとに野菜の種類が違っていますから、40もの必須栄養素をバランスよく食べるには何をどれだけ食べればよいのか、困ってしまいそうです。

 緑色野菜にはビタミンAとCが多いと知っていても、緑色野菜だけ食べていると、ビタミンBやDが不足してしまいます。ならば豆やキノコを足せばよいと言ったら、どんどん数が増えて食べ切れなくなってしまいます。残念ながらこの問題を正しく解く方法はなさそうです。

 大昔からの言い伝えに「五味・五薬」の考えがあって、「五味・五色」と言い換えて薬膳に応用されました。5つの味と5つの色の食材を食べるという意味で、合わせて10の食材を食べれば健康によいと言うのです。実はこの考えはくすりにも応用されています。

 漢方薬のことです。日本には医療用に約150種類の漢方薬が使われています。それぞれに独特の処方が組まれていて、1つの漢方薬には平均7.5種類の生薬が使われています。中途半端ではありますが、ものによっては五味・五薬になっているのです。

 もう一度七草粥に戻りますと、七草+梅干(梅+紫蘇+塩)=10ということになっているではありませんか。人の知恵とは不思議なものです。遠い昔からの言い伝えが、きっちり現代にも生きています。七草粥をまだ食べていない人、年の初めにお食べになっては如何ですか?

●役に立つ参考資料:生薬と薬用植物のページ(提供者:帝京大学薬学部/創薬資源学教室/木下武司)
http://www2.odn.ne.jp/~had26900/index.htm
春の七草を見つけましょう。

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