第28話 コーヒー人気で何かが起こる
コンビニのカップコーヒーが人気です。
最初は5年ほど前、サークルKサンクスのカフェスタイルではじまりました。そこそこの人気でしたが、昨年になって突然他社の店舗に拡散したのです。あっという間にカップコーヒーを提供しないコンビニ店はないほどになりました。
コンビニのコーヒーを飲む人は、喫茶店のコーヒーや、自分で入れるコーヒーを飲む人とは別人です。ですから、コンビニがコーヒーサービスを始めたことで喫茶店の客が減ったわけではありません。それどころか毎日コーヒーを飲む人口の底上げにつながりました。いえいえまだ他にも変化があります。
昨年末、驚くべき現象が起こりました。筆者は「ウソだろっ!」と声に出るほど驚きました。寿司屋で「あがりお願いしま~す」の代わりに、「あがりはコーヒーでお願いしま~す」と言うのですから、そんなことあってよいのでしょうか?世の中の変化は突然に、そして予想もしないことで起ります。
ちょっと見渡すと外食産業のあちこちに、コーヒーブームが起こっています。今や年間1兆円を超える産業ですから、品目こそ多い大衆薬(7千億円)がどんなに頑張っても、コーヒー1品目に追いつかない状況です。ちなみにサプリメント市場は5千億円ですから、やはりコーヒー1つに適いません。
さて筆者が期待していますのは、コーヒーブームに乗って、日本人が健康になるということです。世界中の疫学研究が進んだ結果、コーヒーを飲む習慣が各種のがん、糖尿病、アルツハイマー病など多くの病気を予防することがわかってきています。ですからコーヒーを飲む人が増えれば増えるほど、病気になる人の数が減るはずなのです。まるで夢のような話です。
どう効くのかといいますと、カフェインとポリフェノールの相乗効果を見逃せません。この2つを両方とも含む食べものはコーヒーとお茶しかありません。幸いなことに、日本食にはポリフェノールを含む素材がたくさんありますから、コーヒーやお茶のカフェインと一緒に摂れば、薬食同源の原理が働いて、抗酸化作用と抗炎症作用が生まれるのです。病気によっては進行を抑えるパワーもあるようです。
最後に念のためですが、薬としてのカフェインは劇薬ですから、コーヒーやお茶といえども、飲み過ぎには注意が必要ですよ。私が好きなコーヒーなら、3~4杯が最適です。