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薬食同源タイトル画像岡希太郎先生
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第45話 伝承と科学

 漢方薬と合成薬(新薬とも呼ぶ)、どっちがいいですか?

  こんな質問を受けることがよくあります。合成薬は病気を治す薬、漢方薬は未病のうちに病気を防ぐ薬・・・というような専門家(多くの場合は漢方薬の専門家)の話を耳にします。素人には分かったようで分からないような・・・。そこで、筆者の考えを書いてみることといたします。
 
 漢方薬と合成薬の歴史を比べてみますと、少なくとも3千年以上の開きがあります。漢方薬は中国の古典に基づいて日本風にアレンジされたもので、そこには中国神話時代から伝承されてきた薬用植物の知恵が詰まっています。

 次に合成薬というのは、中世ヨーロッパで生まれ育った近代科学の産物で、「薬用植物の有効成分だけを飲めばもっと効くはず」との考えで、有効成分だけを取り出した薬です。合成薬の歴史は僅か200年と短いのですが、今や化学合成による大量生産が可能で、世界中の人が同じ薬を使えるようになりました。

 さて、薬には副作用がつきものですが、漢方薬よりも合成薬に副作用が多いと言われる理由はなんでしょうか。参考になるのは、「合成薬は病気の症状を治し、漢方薬は病気の原因となる体のバランスを整える」という科学と伝承の違いです。言い方は違いますが、病気の症状は体のバランスの乱れが原因・・・これは伝承にも科学にも共通する原理なのです。
 
 合成薬を正しく飲めば、乱れたバランスが元に戻って治ります。しかし、飲み過ぎればバランスが逆転して副作用が起こります。高血圧薬の飲み過ぎの副作用は低血圧というようなことです。漢方薬の場合はどうでしょうか。漢方薬が乱れたバランスを元に戻す効果は合成薬ほど強くありません。強くない理由は「効かない」のではなくて、「逆向きに作用する成分が入っている」からです。これが、漢方薬が科学より優れた特徴で、ちょっと多く飲んだからと言って、副作用のリスクは合成薬より少ないのです。

 漢方薬に処方される植物は、薬膳の材料にもなるように、薬としての作用が普段食べている野菜や果物より強く現われます。食事には、薬のようにはっきりとした効き目はありませんが、たった1つの例外を忘れるわけにはゆきません。それはお茶やコーヒーのことです。

 お茶とコーヒーにはカロリーこそありませんが、自覚できる効き目の成分が複数入っていて、それらが体のバランスの乱れに対して逆の作用を示します。誰でも知っているカフェインには、眠気を覚ます作用があり、ポリフェノールには気を静める作用があります。お茶やコーヒーを飲んで、眠れなくなっても、胸がドキドキすることはありません。天然のお茶やコーヒーと、合成薬になった無水カフェインとの違いです。

 話を伝承と科学に戻します。薬食同源の思想によれば、漢方薬も普段の食事も、いろいろな素材を使って作ります。その選び方として、まず伝承では、五味・五薬、つまり異なる5つの味が、異なる5つの効き目に通じることを説いています。一方、近代科学は食べ物には50種類以上の必須栄養素が含まれていて、そのうち1つでも欠乏すると病気になることを発見しました。伝承と科学を合わせて考えますと、1日25~30種類の食材を摂れば、必須栄養素不足による病気の予防が可能です。このように、伝承も科学もできるだけ多くの種類の食べ物を食べることを勧めている・・・共通の原理は数学の「組み合わせの法則」に従っているからなのです。

 さてさて、このお話のつづきはまたの機会にいたしましょう。

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