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薬食同源タイトル画像岡希太郎先生
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第48話 食物繊維と発酵食品と整腸剤

 お腹の具合が悪いときは、どんなに頑張っても元気が出ません。そんな経験を誰もがお持ちのことでしょう。賞味期限切れを食べたわけでもなく、水を飲み過ぎたわけでもなく、睡眠不足でもないのに、下痢が続く、便秘が続く、下痢と便秘を繰り返す・・・お腹の具合は生活の質(QOL)が低下する最大要因の1つです。皆さんはそんなときどうしますか?

 1.整腸剤を飲む
 2.繊維質の食べ物を多目にとる
 3.発酵食品を多目にとる

 1の整腸剤を飲んで回復することもありますが、それは比較的軽い場合、頑固な症状に効くとは限りません。そんなときは、2や3が大事です。いえいえそうではなく、普段から2や3に心がけて、それでも体調が崩れたら薬に頼るという順番が正解です。これからの夏場は、お腹の調子が特に気になる季節です。

 さて、世界中どの国へ行っても食と健康の話題は尽きません。なかでも野菜を重視する傾向はみな同じです。でもその理由は時代とともに変わってきました。昭和時代の食生活では「野菜にはビタミンとミネラルが豊富だから」という理由でした。それが平成になって変わったのです。厚労省の食事ガイドラインでも、1日に300グラムの野菜を食べるように勧める時代になりました。ビタミンやミネラル以外にも良いものが見つかったからです。

 昭和時代の腸内菌とは、大腸の奥深くに棲みついて、身体の細胞の数より多い、100種類100兆個が、毎分のように細胞分裂を繰り返して、1日で糞便の半分以上の量に増えて、柔らかく膨らんで、蠕動運動を刺激するというものでした。一方、平成の腸内菌はそれだけではないのです。腸内菌が食物繊維を食べて、替わりに身体に良いものを作っていることがわかったのです。

 腸内菌は、人が消化吸収できない食べ物のカスを分解して栄養にしています。量が最も多いカスは食物繊維で、野菜だけでなく果物、茸、海藻、蒟蒻などに多く含まれています。腸内菌は食物繊維を消化吸収して、自らの栄養とし、増殖し、結果として、1日に増える量が糞便の半分にも達しているのです。

 こうして増えた腸内菌の半分以上が善玉菌、ごく一部が悪玉菌、その他は善くも悪くもない存在です。そして悪玉菌が増える(実際には善玉菌が減る)とメタンガスが大量にできますし、善玉菌が増えると体にとって役に立つ物質ができてくるとの発見が相次ぎました。特に注目されたのはビタミンB3(ニコチン酸)と、これと同じ役割を果たす小さな脂肪酸の酪酸です。

 ところで、以前から腸管免疫という話があって、腸内菌の物質代謝が身体全体の免疫機能のバランスを保つと考えられていました。実際にニコチン酸と酪酸が見つかって、この2つの物質が腸管細胞の同じ受容体(専門用語でGPR109A)に結合して、リンパ球のバランスを整え、アレルギーや炎症反応、さらには大腸がんを予防しているのです。ですから私たちが食物繊維を食べる目的は、私たちの健康維持になくてはならない腸内菌のためなのです。

 食物繊維で腸内菌が増殖する過程は、いわば発酵。その点では味噌や醤油と似ています。そして不思議なことに大昔から保存食として作られてきた発酵食品が健康に及ぼす効果は驚くほど優れています。食物繊維を食べて腸内菌を増やすことと、発酵食品を食べて腸内菌の働きを助けること、この2つはほんの少しだけ気を配れば実現できます。そして、それでも腹具合が悪くなったら、整腸剤を考えるという順番なのです。

 最後に、数ある整腸剤のなかには、善玉菌を使って作った腸内菌製剤も色々あって、正に薬食同源の世界です。

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