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薬食同源タイトル画像岡希太郎先生
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第52話 人体は巨大なネットワーク

 一昔前までの現代医学では「人体は臓器の集まりだから、悪くなった臓器を見つけて治療すれば病気は治る」と言われました。一方、漢方医学では「人体では五臓六腑がつながっているから、全体のバランスを整えるように治療すれば病気は治る」となっています。現代医学は対症療法、漢方は体質療法とも言われました。

 現代医学の医薬品は科学的に純粋な合成品で、品目ごとに適応症が決まっています。合成医薬品を適応症に処方すれば健康保険が使えますが、適応症以外の病気に健康保険は無効です。一方、漢方の治療で使う生薬は、薬用植物を天然のまま乾かして、それを色々組み合わせて使います。現代医学が臓器に注目しているのに対して、漢方医学は全身のバランスを重視しているのです。

 それでは、現代医学と漢方医学はまったく異なるものなのでしょうか?どうやらそうではなくて、理解し合うための新たな状況が生まれつつあります。その状況とは、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥博士と知的芸人タモリの名コンビがTVで語っています。多くの方がご覧になったと思いますが、昨年来のNHKテレビ番組「NHKスペシャル・人体」のキーワードは「人体は巨大なネットワーク」となっています。

 人体のネットワークは、2つの臓器をつなぐ神経または血管の集まりでできています。神経の情報伝達は電気、血液の情報伝達は血に溶けて流れているタンパク質などの情報伝達物質の役目です。神経のネットワークは脳を中心にできていて、昔から詳しく研究されてきましたし、今では脳の内部にあるネットワークの解明が進んでいます。今回は、血液がつないでいる巨大ネットワークについて具体例を挙げてみましょう。

 まず1つ目は、血圧が高いときに心臓から出てくるANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)です。ANPが腎臓にたどり着くと「もっと尿を出しなさい」という情報を伝えます。すると腎臓は排泄量を増して血圧を下げる働きをするのです。これは心臓と腎臓を結ぶネットワークです。

 2つ目は、満腹ホルモンと呼ばれるレプチン。食事が進んでやがて八分目を過ぎるころ、皮下や腹部の脂肪組織からレプチンが出はじめます。これが脳に達すると「もう満腹ですから食事は終わりですよ」という情報を伝えるのです。別名「満腹ホルモン」と呼ばれる所以です。情報を受けた脳は食欲中枢を抑制して食事は終りというわけです。脂肪組織という脳から遠く離れたところに情報源があるなど、以前の医学では考えられないことでした。

 まだまだ他にも、臓器と臓器をつなぐネットワークが次々に見つかっています。そして「ネットワークの方向と働きをじっくり見定めれば、病気の治療方針が正しく決められる」との期待が今医学界に芽生えているのです。ネットワークの解明と治療への応用は、現代医学・科学の言葉で表現されるので、ともすると難解な漢方医学よりも速やか受け入れられるのではないでしょうか。

 薬食同源の立場からは、漢方医学の経験則を上手に応用すれば、人体ネットワークの更なる理解が進むに違いありません。

薬食同源

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