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薬食同源タイトル画像岡希太郎先生
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第53話 食品中の発がん物質・アクリルアミド

 アクリルアミドとは、すべての人が毎日食べている・・・というより、知らず知らず食べてしまっている発がん物質の1つです。今世紀になってポテトチップから見つかって、その後、加熱した食品にはほぼ例外なく入っていて、特に多いのはポテトチップなどのスナック菓子とインスタントコーヒーだそうです。

 今から10年ほど前のこと、発がん性物質に厳しいカリフォルニア州で、コーヒーメーカー相手のアクリルアミド訴訟が起こりました。そしてこの3月、高等裁判所の判決が下りました。コーヒー販売業者は自社商品に「発がん性物質アクリルアミドが含まれています」との警告文を表示せよとのことでした。

 裁判中にコーヒーメーカーは「コーヒーのアクリルアミドは人にがんを起こすほどの量ではないし、むしろコーヒーには病気を予防する効能がある」と主張してきました。しかし「疑わしきは罰する」との州法に基づいて今回の判決になったのでしょう。被告が最高裁判所に上告するかどうかは未定です。

 アクリルアミドは食品を加熱したときに起こるメイラード反応でできてくる物質で、コーヒー豆の焙煎では200℃もの高温に曝されてできてきます。実験動物での発がん性はほぼ確立された事実ですが、ヒトの発がん性となりますと、まだ議論の余地が残っています。特にコーヒーの場合には次の3つの理由で話が複雑になっています。

 1.疫学研究によって、コーヒーの臓器発がん性は否定された。
 2.世界保健機構(WHO)は、発がん性食品リストにコーヒーを含めていない。
 3.国際がん研究機関(IARC)は、「コーヒーと発がんの関連を示す証拠は確認できない」としている。

 さて、このようにいろいろ議論はあるのですが、もう1つ重要な論文が昨年秋に発表されました。しかし裁判はこの論文が発表される前に結審していたようで、議論になることはなかったようです。論文には誰も予測しなかった驚くべき実験結果が載っているのです。

 「アクリルアミドはヒトの体内でもできている」

 この考えは以前からあったのですが、実験で証明することが困難で、真偽は不明のままでした。困難を解決したのはドイツにあるカイザースラウテルン大学の研究者で、実に巧妙な方法を使って答えを出すことに成功しました。その答とは、「加熱調理では必ず起こるメイラード反応が、人の血液中でも起きている」ということです。しかも体内でできるアクリルアミドの量が、コーヒーを飲んだ時と同じかそれ以上だということもわかったのです。

 さてさてそういうことになってきますと、カリフォルニア州の判決をどう見たらよいのでしょうか?判決に従って食品表示するとしたら、「このコーヒーにはあなたの体の中にあるのとほぼ同量のアクリルアミドが入っています」とでも書くのでしょうか。カリフォルニアのコーヒーメーカー、特に誰もが知っているスターバックス社の対応に興味津々になるのです。

 

薬食同源

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