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薬食同源タイトル画像岡希太郎先生
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第57話 アルカリ性食品の正しい知識

 以前ほど耳にすることはありませんが、アルカリ性食品という用語を聞いたことがありませんか?世界の医学会が完全否定した用語ですから、もう消えてなくなったと思っていたのですが、今年お化けのように再登場してきました。こともあろうに元有名大学の医学部教授が「アルカリ性食品で癌を治す」という嘘の説を巻き返して、しかもそれをマスコミが応援してという、健康食品によくある構図が見えてきます。本当に油断も隙もありません。

●アルカリ性食品とは・・・食品を燃やしたとき残った灰がアルカリ性を呈する食品のこと。
●酸性食品とは・・・食品を燃やしたとき残った灰が酸性を呈する食品のこと。

 アルカリ性か酸性かという易しい化学用語を使って、すべての食品を2つに分けて、しかも健康に良いか悪いかと、こちらもザックリ2つに分ける。この大胆で単純な分類法に罪はないのですが、「アルカリ性は体に良いので癌が重曹で治る」と有名人に言われると、疑わずに飲み続けて体を壊す人が出てきてしまいます。

 アルカリ性食品が体に良い訳は、ビタミン、ミネラル、更に抗酸化性のポリフェノールを多く含む野菜や果実のことだからです。逆に酸性食品が良くないという訳は、牛や豚の生肉や加工肉のことだからです。肉に含まれるリン酸が肉を燃やし切って灰にしたとき酸性を呈するのです。実際に疫学研究のデータによれば、野菜と果物は善玉で、肉の食べ過ぎは悪玉なのです。

 では梅干しやお酢のように「酸っぱくても体に良いものがあるではないか」と思うかもしれません。でも梅干しや酢にはミネラルが豊富で、燃やせば残渣はアルカリ性を呈するので、立派なアルカリ性食品なのです。ならば純粋な酢酸はどうかと言えば、燃やしても灰が残らないので、どっちともいえない単なる化学物質なのです。

 では何故アルカリ性食品ががんを治すのかという嘘の理由を説明しましょう。体内で1つだけ癌化した細胞は、周辺にいる正常細胞、特に免疫細胞の攻撃を受けてほとんどは消えてしまいます。それでも中には特に活発にグルコースを乳酸に変えてエネルギーを補充する奴がいて、それが細胞分裂を繰り返して、やがて同じ仲間を増やします。乳酸は癌細胞にとって強力なエネルギー源ですが、厄介なことに強い酸性ぶっしつなので、癌細胞自身がまいってしまいます。

 そこで癌細胞は、酸性の元となる水素陽イオン(プロトンともいう)を細胞の外に吐き出すのです。そして癌細胞の周辺が酸性を呈するようになるのです。この癌の周辺のことを腫瘍周辺微細環境と呼んでいます。ここまでは本当の話ですから信じて下さい。で、嘘のお話とは「その酸性の環境をアルカリ性食品を食べて中和すれば癌は治る」と続くのです。この嘘にヘルスサイエンスの経験豊かな記者達も騙されてしまいます。実によくできた嘘なのです。

 ではでは、どうして癌周辺の酸性をアルカリで中和できないのでしょうか?その答えは血液にあります。血液は体の恒常性(常に一定の状態を維持すること)を保つためにpH=7.4を保っています。正常細胞も癌細胞もこのpH=7.4の血液から酸素と栄養を得て生きています。たとえ酢や重曹のような強い酸やアルカリを飲んだり食べたりしても、血液のpHが変わることはありません。変わるのは血液のpHを瞬時に7.4に調整する尿のpHなのです。酢をいくら飲んでも血液が酸っぱくなることはなく、酸っぱくなるのは尿なのです。

 さておわかりでしょうか?アルカリ性食品をいくらたくさん食べても、血液がアルカリ性になることはないのです。そういう血液ですから、癌の周辺微細環境の酸性を中和することはできません。それでもアルカリ性食品が体に良いという本当の理由は、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールといった山の幸を豊富に含んでいるからなのです。

 最後につけ加えますと、現在世界中で癌周辺の酸性を中和する薬の開発研究が進んでいます。

薬食同源

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