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薬食同源タイトル画像岡希太郎先生
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第64話 腹八分目で若返り

 オートファジーをご存知ですか?2016年の大隅博士のノーベル賞を思い出してください。老化した細胞がオートファジーで若返るという話です。私たちの体の中で、オートファジーはいつも起こっているごく普通の現象です。オートファジーは私たちの細胞が元気でいられるメカニズムでもあるのです。

 私たちが1日に食べるタンパク質の量はせいぜい100グラム程度です。それを消化してアミノ酸にして、それから私たちに必要なタンパク質を作ります。私たちの体の中では、毎日食べた量より多い200グラムのタンパク質が作られています。そろばんが合いません。一体どういうことかと言いますと、体の中で役目を果たして古くなったタンパク質が、体の中で分解されてアミノ酸に戻り、新しいタンパク質に作り変えられているのです。つまり私たちのタンパク質の材料はその日の食事で摂る他に、自分自身のタンパク質をリサイクルしているのです。それがオートファジーということです。

 健康なヒトでも毎日起こっているオートファジーですが、年をとるとその効率が下がってしまいます。すると古くなった細胞が増えて病気の原因になるのです。病気で食欲がないときや、手術で食事を摂れないときには、オートファジーの効率を高める必要がありますが、そんなときはどうすればよいのでしょうか?なんと、その答えは昔からの言い伝えの中にあるのです。

 仏教では、お坊さんの修行の中に粗食があります。毎日僅かな食事だけで厳しい修行を続けるのです。それが丈夫な体と心を育てると言われてきました。同じようなことがイスラム教にもキリスト教にも伝えられています。宗教を離れた俗世間では「腹八分目」とも「腹も身の内」とも言われます。これらはどれもオートファジーを活性化して、古くなった細胞を新しくリフォームして若返るという、長い時間をかけて身につけた人類の知恵でもあるのです。

 人は食べ過ぎると内臓脂肪が異常に太って生活習慣病を起こします。すると普通より早く老け込んでしまいます。太っている人には栄養が余っているので、そのためオートファジーが起こり難く、細胞のなかはゴミだらけです。逆に正しく食事を摂って空腹の時間を設けることでオートファジーが起こります。そうしてゴミのリサイクルが稼働していれば細胞が若返って長生きします。これがノーベル賞に適う健康長寿のメカニズムです。

 さて、年をとるとオートファジーを起こしにくくなることを、どうすれば改善できるでしょうか?年をとって無理して「絶食療法」などに挑戦すると返って病気になってしまいます。ところが今世紀のはじめ、赤ワインのレスベラトロールが長寿遺伝子を活性化するとの発見がありました。自然界にある食べものの成分にオートファジーを活性化するものが見つかる可能性が見えたのです。世界中の研究者が競って宝探しに挑戦しました。

 間もなく幾つかの候補物質が見つかりました。第1候補は細胞のなかにある補酵素NAD、第2候補から以下は、メトホルミン、スペルミジン、ラパマイシンといった薬です。それらのなかで安全で毎日飲んでもよさそうなのはNADですが、それ自体は食べても吸収されません。そこで考えられたのがNAD前駆体のビタミンB3です。そしてVB3の働きを助けているVB群の栄養素こそが、年をとってから欠かせない薬食同源の要として再認識されるようになりました。

 オートファジーは21世紀に発見された薬食同源の最新版ではないでしょうか。最近物忘れが多くなった、疲れやすい、下痢気味が続いている、根気が続かない、いらいらする・・・若い頃とは違うなあと、何か思い当たることがあるならば、薬剤師さんに相談してみるのが早道です。

薬食同源

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